表紙



愛しき弟子たち・おまけ





 ギィとエルクの戦いを見守るふたつの影。

「よもやあなたが、あんなに可愛いお弟子さんをお持ちとはね、カレル殿」
「……」
「本当ならば、子供たちのけんかに大人が割ってはいるなど、あまり褒められたことではないのだろうが、ふたりともなかなか強情なところがあるようだし」
「……」
「男性の熱い視線を背中にむけられて、喜ぶ趣味はないのだが」
「……」
「……わたしを斬っても、期待には添えないと思うよ、剣魔殿」
「なぜそう思う、エトルリアの魔道軍将」
「肩書きなど名ばかりで、ひ弱な一研究者に過ぎないからさ」
「……」
「……案外わたしたちは似ているのかもしれないね」
「似ている?」
「剣であれ、魔道であれ、常に満たされぬ渇きを抱いているところが」
「……」
「そして、その欲望に抗えないところが、ね」
「……」
「さて、もうそろそろ決着がついたようだ。……はいはい、そこまで」




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