うつくしき魂の告白
●月×日 晴れ
この世界に帰ってきてから、一体どれくらいの時間が過ぎたのだろうか。あの記憶は、もしかしたらすべて夢だったのだろうかという思いが胸をよぎる。
あまりも、うつくしすぎたから。
●月△日 曇り
太刀筋が変わったと、顧問の先生から注意された。
つい、横切りをしてしまう。
○月●日 雨
背格好が似ているためか、同じクラスの橋本さんの後姿を見たとき、一瞬、ソルがセーラー服を着ているのかと思って、目を疑った。視線に気付いた橋本さんが、不審そうに僕を見ていた。当たり前だ。目を疑う前に、まず自分の頭を疑ったほうがいいかもしれない。
○月×日 大雨
夢にソルが出てきた。しかも、セーラー服を着ている。教室の床にぺたりと座り込み、上目遣いでぼくを見ていた。
「もう、離れないぜ」
そこで、目が覚めた。
学校に行く前に、家のものに見つからないように下着を洗った。いよいよ病院に行くべきかと考える。
×月▲日 曇りときどき雨
部活中、克也くんを気絶させてしまう。おわびに、ラーメンをおごった。
実は、リィンバウムから帰ってきて以来、指で十円玉を半分に折り曲げられるようになってしまった。レベルを上げすぎたようだ。気をつけよう。
×月●日 強風
人気のない公園で、リィンバウムでそうしたように、手をあげて召還のポーズをとり、こっそり叫んでみた。もしかしたら、ソルを召還できるかも知れないと思ったからだ。
「召還!」
叫んだ瞬間、散歩中のおじいさんと目が合った。僕にあわれみのこもったまなざしを向けていた。
×月〇日 台風
会いたい。会いたい。会いたい。
□月☆日 快晴
空から、素晴らしい贈りものが降ってきた。
文字を綴る前に、いまはただ、このぬくもりを確かめたい。
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